資金計画を考えてみましょう
■準備する頭金はどれほど必要か

 マイホ−ムは非常に高価な買い物ですから、手持資金で全額支払える人は滅多にいないでしょう。

当然、不足分は住宅ロ−ンを利用することになります。
マイホ−ムの購入を決断したならば、準備できる頭金(自己資金)と
自分の支払い能力からみた住宅ロ−ンの総額を把握することが必要です。

この金額がわかれば、購入できるマイホ−ムの総額が自ずと決まります。


住宅ローンは通常、購入価格や建築費の80%までというケースが多いため、
逆算して20%程度の頭金があれば大丈夫と考えられています。

しかし、頭金が不要で100%ローン可能という広告をよく見ることがあります。
毎月、確実に返済が行え、完済できるなら問題ないのかもしれませんが、
住宅ローンの返済は長期に渡るため予期していない出来事があることも考慮しておくことが必要です。

また、実際には購入費用のほかに諸費用も必要ですので、
購入予算の25%〜30%程度の資金を準備しておくのが、安全な資金計画といえるでしょう。

つまり、住宅ローンはいくら借りられるのかより、いくらなら無理なく返済できるかを考慮し、
安全な資金計画を立てることが大切です。


■意外と諸費用がかかります
 資金計画を立てる場合に注意しておかなければならないのが、
入居時までにかかる売買代金以外の諸費用です。

引渡しを受けて自己名義の登記をする際には、 登録免許税 や 司法書士 等への報酬が必要です。

住宅ロ−ン利用に際し、連帯保証人を立てる代わりに住宅ロ−ン保証を頼めば、
ローン保証料が必要になる場合もあります。

また引越しにも相応な費用が必要となります。


主な諸費用には以下のようなものがあります。
印紙税 不動産売買契約と金銭消費貸借契約(住宅ローンの借入)時に契約書に貼ることにより納税します。
事務手数料 住宅ローンの借入にかかる事務手数料です。金融機関によって金額が異なりますが。30,000〜50,000円程度を考慮しておけばよいでしょう。
ローン保証料 住宅ローンを支払えなくなったときに、保証会社が代わりに金融機関へ返済するため保証会社へ支払うものを保証料といいます。保証料は、毎月の支払いに上乗せして支払う方式(内枠方式)と、別途支払う方式(外枠方式)とがあり、住宅金融公庫は外枠方式です。金額は、借入金額や借入機関によって異なります。
団体信用
生命保険料
債務者に万一のことがあった場合には、住宅ローンの残高をこの保険で支払うことになります。借入金額、借入期間、返済方法により保険料は異なります。また、民間金融機関の場合は、銀行負担となっているケースが多いですが、保険料は金利に含まれていると考えてよいでしょう。
登録免許税 登記を受けるときに必要な税金です。物件の種類や借入金の額により異なります。
司法書士への報酬 登記の内容や物件の価格(課税標準価格)によりまちまちですが、3,000〜5,000万円程度の居住用物件の場合、10万円前後と考えておけば良いでしょう。司法書士はその「報酬基準」に準じて、報酬額を決めていることが多いですが、その報酬額や算定方法・諸費用を依頼者に明示した後、合意によって決定することになっていますから、必ず事前に確認することが必要です。
仲介手数料 仲介する不動産会社に支払う費用です。本来は200万円までの部分×5.25%+200万円〜400万円の部分(200万円)×4.2%+400万円超の部分×3.15%で計算される金額が仲介手数料の上限額となりますが、不動産の売買価格は多くの場合400万円を超えるため、売買金額×3.15%+63,000円と表現されることが多いのです。
その他 火災保険料や引越し費用、取得後の不動産取得税、固定資産税・都市計画税などが必要です。


■毎月の返済可能額から借入金の総額がわかります

 住宅ローンの年間返済額は、年収の25%から30%以内に収めることが重要とされています。
(年収に占める住宅ローンの割合を年収負担率といいます。)

また、住宅金融公庫の審査基準では基準月収(年収の12分の1)を
毎月返済額(年間返済額の12分の1)の5倍以上と定めています
(住宅金融公庫では、総返済負担率[収入に占める様々なローンの返済額合計額の割合]ついても確認があります。

例) 住宅金融公庫の審査基準

年収840万円のサラリーマンの場合

840万円÷12=70万円>毎月返済額×5
よって毎月返済額の上限は、14万円になります。

借入可能な総額は、毎月の返済額、ボーナス時の返済額(年2回)、金利、返済期間によって決まります。

毎月の返済額 返済期間 金利 総返済額
14万円 35年 2.8% 約3,750万円
3.3% 約3,500万円
※ボーナス時の返済を0としているケースです




☆金利や返済期間によって借入可能額がどのくらい違ってくるのかを見てみましょう。

・上記サラリ−マンのケースで、月額返済額を公庫基準の14万円、返済期間を35年と仮定します。
金利 借入可能額 総返済額
2.8%の場合 3,745万円 58,000,000円
3.3%の場合 3,484万円 58,000,000円
3.8%の場合 3,249万円 58,000,000円
 ※金利により、借りられる総額が大きく異なることが分かります。


・上記サラリ−マンのケースで、月額返済額を公庫基準の14万円、金利を3.3%と仮定します。
返済期間 借入可能額 総返済額
25年の場合 2,857万円 42,000,000円
30年の場合 3,196万円 50,400,000円
35年の場合 3,484万円 58,800,800円
 ※返済期間により、借りられる総額や総返済額が大きく異なることが分かります。



■購入できる総額を試算してみましょう
購入できる総額を簡単に試算するには次のような2つの方法があります

≪1≫用意できる頭金から購入総額を割り出す
 
    ローンを利用する場合、一般的な融資額は物件価格の80%が限度とされています。
購入代金以外にかかる諸費用に充当する資金を除いて、
仮に800万円の頭金が用意できるとすれば、
購入できる物件の総額は、[頭金の額÷0.2]の計算式で求められることになります。

  つまり、800万円÷0.2=4,000万円と算出されます。

    ただし、上記4,000万円から準備済みの頭金800万円を差し引いた
3,200万円を住宅ローンに依存することになりますので、
その年間返済額が年収の25〜30%程度に収まっているかどうかの検討が必要となります。

≪2≫ローン利用可能額計算から割り出す
 
■毎月の返済可能額から借入金の総額がわかります』でのローン利用可能額計算は、
自分の収入状況からみた借入可能額ですから、
その金額に用意できる頭金相当額を加算した金額が購入できる物件の総額になります。


例えば、月額返済額14万円、金利3.3%、35年返済の場合、
約3,500万円の借入ができます。
これに用意できる頭金800万円を加えると、約4,300万円という金額になります。

 しかし、この数値が直ちに購入総額と結論づけることは早計です。
この金額の20%相当額は860万円で、現在用意できている頭金では不足するからです
(一般的な融資額は物件価格の80%が限度ですから、頭金は20%必要ということになります)。



 
親からの贈与、借入れを受ける場合の注意
■親などからの贈与を受ける場合の贈与税
頭金の一部を親から援助してもらうのも良い方法です。
この際注意したいのが贈与税のことです。

普通、贈与を受けると高額な贈与税がかかりますが、
以下の2種類の特例を適用すると贈与税が軽減されます。
 なお、併用はできませんのでどちらかの特例を選択することになります。  

(1)住宅取得資金等贈与の特例

 父母または祖父母から住宅取得資金等の贈与を受けた場合は、
5分5乗方式という特例の計算により、550万円までは贈与税はかかりません。

  また、1,500万円までは税額が以下のように大幅に軽減されます。
なお、この特例は平成17年12月31日までの贈与に適用されます。

<通常の場合の税額と特例を受けた場合の税額>
贈与の金額 特例を受けた場合の税額 通常の場合の税額
550万円 67万円
600万円 5万円 82万円
800万円 25万円 151万円
1,000万円 45万円 231万円
1,500万円 95万円 470万円

2)住宅取得資金等に係る相続時精算課税制度の特例

 相続時精算課税制度とは、贈与時に贈与財産に対する贈与税をいったん支払い、
その後の相続時に贈与を受けた財産と相続財産とを合計した価格で
計算した相続税から既に支払済みの贈与税を控除する制度です。
なお、この特例は平成17年12月31日までの贈与に適用されます。

 この相続時精算課税制度において、
自分の居住用の住宅を取得する資金または増改築のための資金の贈与を受ける場合に限り、
65歳未満の父母からの贈与についても適用され、
本来の非課税枠に1,000万円を上乗せした3,500万円が非課税枠となります。

※本来の相続時精算課税制度では、
65歳以上の親から20歳以上の子へ
 の贈与のみが認められ、非課税枠は2,500万円です。
■親からの頭金の一部を借りる場合の注意
他人から借金をしたら約定期日に返済するのは当たり前のことです。
ところが親子間での金銭貸借は、「あるとき払いの催促なし」になりがちです。
そうなると金銭貸借の形にはなっていますが、
贈与を受けたのではないかとの疑念が持たれてしまいます。

  親子間とはいえ、 金銭消費貸借契約 を結び、
毎月一定日に約定金額を指定口座に振り込み、
相応の利息を支払った証拠を残しておくことが大切です。
返済期間の設定も親の年齢等も考え、常識的な期間での返済を心掛けましょう。
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